強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
一日何事もなく終わったことにほっとして、私は時計をチラリと見た。

「ねえ、優里香ちゃん。今日の夜は暇?」
そこへ隣の部署の、先輩に声をかけられて私は振り返った。

「どうしたんですか?」
その言葉に、少し困ったような顔をした先輩は、
「合コンが一人キャンセルになっちゃたのよ。優里香ちゃん今フリーって言ってたよね?」

うっ……。
フリーだよ。うん、フリーだった。
でも……。
結婚してます!
なんてことを到底言える訳もなく。

先輩の頼みをどう断ろうと思っているところに、またざわめきが起こった。

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