強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「何をしてるの?」


その言葉に、近くの人達の悲鳴に似た声に、私はおそるおそるその声の主を見た。

やっぱり……。晃さん。
どうして声をかけたの?
止めてよ。
明日からここにいられなくなる。

こんなところで「お姫ちゃん」なんて万が一言われたら……。
私は背筋が凍るような気がして、動きを止めた。

無言で固まってる私の上から更に、爆弾が飛んできた。

「優里香ちゃん。帰るよ」
ギャー!!
今度こそ悲鳴に似た声と、「なんで笠井さん」という声があちらこちらから聞こえた。


終わった……。
私の平穏な日々が……。


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