強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「あっ、この誰も人のいないのは、皆さんそのパーティーの為ですか?」

「そうだよ」
当たり前でしょ?というように晃さんは答えると、私を手招きした。

「無理!無理です!会社の人に翔太郎さんの妻なんてバレたら!」
私はもっともな事を言ったつもりだったが、

「優里香、お前役員フロアの人間に知り合いいるの?」
翔太郎さんのごもっともな質問に、私はウッと言葉を詰まらせた。

「いないですけど……」

「それにいつもと雰囲気が違えばお前って気づかれないだろ?晃そのあたりきちんと頼むよ」

なによ、どうせ私はいつも地味ですよ。
翔太郎さんの言葉に私は心の中で文句を言いながら、翔太郎さんと晃さんを見た。

「じゃあ、終わるまでにお前も仕事終わらせておけよ。どうせ遅刻だろうけど」
その言葉に、多少のひっかっかりを覚えつつも、私は今からの事で頭がいっぱいだった。




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