強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「一緒に寝よう？」
その言葉の意味に、私はビクッと身体をこわばらせた。

「ごめん、言い方が悪かったな。何もしないから一緒のベッドでねよう？俺たちは夫婦だろ？そして……優里香がいいと思った時には、優里香のすべてを俺にちょうだい」

優しい瞳に映る自分を見ながら、私は翔太郎さんの言葉に小さく頷いた。

正直、別に翔太郎さんと深い関係になることが嫌なわけではない。
ほとんどと言っていいほど経験のない私が、翔太郎さんを満足させられるのか……そんな不安が頭の中をよぎった。

きっと、これだけのハイスペックな人だ。今までお付き合いしていた人たちはキレイな人ばかりだろう、無理やり私と結婚して、努力をしてくれているだけかもしれない。

またネガティブな事ばかりが頭をよぎり、慌ててその思考をストップさせた。

お互いシャワーを済ませ、支度を整えると、私は言われた通り翔太郎さんの部屋へ行く為に自分の部屋を出た。

何もしないのに、一緒に眠る必要もないのではないか？そう思ったが、お互いがうまくやっていく為と言われれば、断る理由も思いつかなかった。


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