強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「優里香……」
キスの間に呼ばれる名前に、心がギュッとして翔太郎さんのパジャマを握りしめた。

そこで、ふと翔太郎さんの気配を感じなくなり、私は目を開けた。

「悪い。止められなくなるところだった」
小さく息を吐いて翔太郎さんは私から距離を取ると、申し訳なさそうに私を見た。

「あ……えっと。私なら……」

私なら大丈夫とかいう?
自分でOK出すの?

そんなことが言える訳もなく、私は言葉を止めた。

そんな私の額にチュッとリップ音を立ててキスをすると、翔太郎さんは私を抱きしめた。

「おやすみ。優里香」

その言葉に、私は翔太郎さんにはわからないように、小さく息をつくと、
「おやすみなさい」
それだけを言うと、ギュっと目を閉じた。


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