強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
その夜は、上手く眠ることができず、暗闇の中で翔太郎さんの寝顔をこっそり見つめたりしていた。

翔太郎さんは私の事を好き?
抱きたいって言ってくれたけど……男の人は感情がなくても出来るって言うし……。
夫婦になりたいとは言われたけど、好きとは言われてないよね……。

翔太郎さんの真意がわからず、一人不安になっていると、ゆっくりと目の前のキレイな瞳が開かれた。

「どうした?優里香。眠れない?」
少し寝ぼけたような口調がかわいくて、私は不安も忘れて微笑んだ。

「ほら、俺がいるから大丈夫。安心しておやすみ」
まるで父親が娘に諭すように私に言って、頭を撫でて、私を自分の腕の中に抱きしめた。

その温かさと、今の言葉で私は翔太郎さんを信じよう、いつか本当に好きになってもらえるように頑張ろうそう思って、温かい腕の中でいつのまにか眠りに落ちた。



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