強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
チラリと腕時計をみると、もうすぐ17時半。
18時に地下駐車場……。

何の用事か思案してみても、思い当たるのはあの件だけ。
でもまさか本当に副社長が相手だとは思っていなかった私は、次々と起こる現実にまったく頭は追いつかず、一つの結論にたどり着いた。

逃げよう!

頭に浮かんだのはもうその事だけだった。
今もし副社長に会ったとしても、何を話していいのかも、どう嫌われるべきかも全く分からなかった。

作戦を練らなければ。
現実逃避と言われようが、もう私にはそれぐらいの事しか考える余裕はなかった。


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