強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「ただいま」

そして、満足げに微笑んでそう言った翔太郎さんに、私の顔は真っ赤でとろけきった情けない顔をしているのだろうと自分でも想像できて、私は諦めて感情そのままにギュッと抱きついた。

「お帰りなさい……」

「ご飯にする?お風呂?それとも私?って言わない?」
ふざけたように言った翔太郎さんに、私は「言いません!」と言い捨てると翔太郎さんに背を向けてキッチンへと向かった。

もう!すぐにイジワルするんだから……。

まだ熱を持った唇にそっと触れると、少し余韻にひたり、少し煮詰まりすぎた肉じゃがをお皿へと移した。



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