強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「優里香!」
そんな軽い気持ちでいると思われたのが、なんか悔しくて私は返事をせず食器を洗い続けた。

黙々と洗い続ける私の横に、食べ終わった食器を持った翔太郎さんがやってきたのがわかったが、私は声をかける事もなく、その茶碗を受け取ったというより奪い取った。


「ゆーりか」
少し甘えたように言われ、すでに顔が緩みそうになる私がいる。
今までもずっと、翔太郎さんに振り回されてきたのだから、少しでも抵抗したい。

「気づけよ。お前が合コンに行くのがいやだっただけだろ?」
イジワルモードが入ってしまった翔太郎さんは、私の髪をすくい上げると、パラパラともてあそびながら私との距離をつめてくる。

やばい!
この翔太郎さんは!

初めのころはごまがしたい時に現れていた、ドSの翔太郎さんだが、最近はどこか私の反応をみて楽しんでいる様な気がする。
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