強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

「違う!すぐはぐらかしますよね!その相手は私じゃなくてもいいってことです」

「優里香ちゃん、だれか好きな人でもいるの?」
瀬能さんの言葉に、私の頭の中にすぐに翔太郎さんがうかんだ。

きっかけはどうであれ、今私の中にいるのは翔太郎さんだけだ。
晃さんや、瀬能さんみたいなイケメンを前にしても、どうやっても心が動かされることはなかった。

それが私の答えだ。


「はい、好きな人がいます」

「へえ、でも関係ないよ。今だけけだよそんな気持ち」

真っすぐに答えたことで、瀬能さんは引いてくれると思っていた私は、驚いて返す言葉がなくなった。

そこへ鮮やかな黄色と、真っ赤なケッチャプのオムライスが目の前に置かれた。


「さあ、食べよう」
今の会話はなんだったの?と思いたくなるような、瀬能さんの笑顔に私は何も答えられず、スプーンを手に取った。



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