強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
真実は何?
それから私は会社で瀬能さんを避けて生活をしていた。

翔太郎さんが怒ったときは怖かったが、ヤキモチを焼いてくれたことが嬉しかったし、もう心配はかけたくない。

こんな形で始まった結婚だったが、翔太郎さんに大切にされている実感がわいて幸せだった。


いつも通り、翔太郎さんの帰りを待ちつつ、キッチンで夕飯の準備をしていると、あることすら忘れていた自宅の電話がなり私は慌てて電話に駆け寄った。

出てもいいのかわからず、しばらく電話を眺めていたが、あまりにもなりやまない電話に何か急ぎの要件かもしれないと、受話器を取った。

「はい、清水です」
まだまったくなれない清水という名字を自分で言って、少し照れつつも向こうの言葉を待った。
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