強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
すぐ目の前から地下鉄に乗り込み、会社から一駅離れた店へと向かう。

半年前ぐらい前から私と円花が気に入って来るお店で、居酒屋とスペインバルを足して2で割ったようなお店。

ようするに、少しお洒落な居酒屋だ。
それほど広くはない店内は、カウンターが8席とテーブル席が10席ほど。
火曜日の早い時間という事もあり、2組ほどしがいない店内へと私は足を踏み入れた。

「いらっしゃいませ」
カウンターの向こうから、顔なじみのスタッフさんに声を掛けられ、ほっと力が抜けるような気がした。

そこでようやく自分が緊張していたことに気づき、いつも空いていれば座る奥まった2人掛けの席へと腰をおろした。
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