強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

ポロポロと流れ落ちる涙に、こんなにも翔太郎さんのことが好きな自分の気持ちに、やりきれなさと、悲しさと、色々な感情がこみ上げ、私はその場に座り込んだ。

政略結婚なんだから、翔太郎さんが私の事を好きじゃなくても、一緒にいたいそう思う気持ちと、自分だけが好きなで、自分に気持ちのない人と一緒にいるのは辛い、そう思う気持ちでぐちゃぐちゃになった。

翔太郎さんは仕方なく結婚したのだろう。上手くやろうとしてくれているだけ。幸せだった気持ちは一気にどん底まで落ち込んだ。

どれぐらいそういていたのだろう?ようやく涙を拭くと作りかけの料理を続ける気にもならず、私は自分の部屋に逃げ込んだ。


それからしばらくして、ドアをノックする音に私はビクリと肩を震わせた。
< 170 / 218 >

この作品をシェア

pagetop