強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

『でも兄貴、あの子を期日までに落とさなければ、清水グループの次期社長の座は失われるよ。俺は別に社長の座には興味はないけど、兄貴だけ良い思いさせるのはしゃくなんだよね。だから俺の番がまわるように、優里香ちゃんにちょっかい出すからね』

どんどん遠くなる声に、私は血の気がひいていくのがわかった。
横で円花がどんな顔をしているのかも、どういう気持ちでこの話を聞いているのかもわからなかった。

ただ、ただ今聞いた話がすべてなんだろう。

翔太郎さんは私をだまして、清水グループのトップの座か欲しかった。それだけが事実だ……。

「呪い」の政略結婚の方がまだましだったじゃない……。さっき我慢した涙……もう我慢できない……。


そんな事を思っていた私は「優里香!!!!」と叫ぶ円花の声を聞きながら、真っ暗な闇へと落ちて行った。



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