強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

そう、初めから政略結婚と言われていたのだから、別に翔太郎さんは悪くない。
私に優しくしたのも、うまくやろうと努力してくれただけだ。

たとえそれがトップの座を得る為でも、政略結婚だから私が文句言える筋合いにはない。

「でもさ、その先祖だかおじいさんも余計な事をいったよね」
円花はこんなことを言い出した先祖の事を、ブツブツと文句を言っていた。

「だって、そうでしょ?そんなくだらない事いうから、優里香が苦しんでるんだし」
私は円花の文句に、少し苦笑しながら確かにそのとおりだと思った。

それに、どうして長男である翔太郎さんが普通にトップの座になれないのか、そこもわからなかった。

そして、瀬能さんの悪意ある言い方。


分からないことだらけで、今から私はどうするべきなのか全く分からなくて、私はただ涙が零れ落ちるのを我慢した。


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