強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
円花の好意に甘えて、居候させもらってもうすぐ5日がたとうとしていた。
翔太郎さんからの電話もメールも見れていない。

どんなことを言われても、今は信用できないし、どんな話も聞きたくなかった。

まだ私を好きなふりをして、言い訳をするのか、それともばれたならと拒絶の話をされるのか……。
どちらにせよ、病み上がりな上に、かなり心が弱っている今聞くにはヘビーすぎる。

このまま円花の家にいることもできないのもわかっているが、どうしたらいいのかわからず私は小さくため息をついた。

そしてこれ以上会社を休むのも難しいだろう。

熱も下がり、体調はもう問題はない。

もちろん円花は仕事に行っているし、このあたりでどうにかしなければいけない。

私はそう思い荷物をまとめると、円花の家を出た。

久しぶりに戻ってきたマンションを見上げて、私は息を整える。

いつも通り、なにもなかったように「おかえりなさいませ」とコンシェルジュさんに言われ私も会釈を返した。
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