強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
あれ以来、翔太郎さんは何かを言いかけては止めるという事を繰り返していた。

一応、立場ある人の嫁となっている以上、翔太郎さんが仕事に差しさわりが出るようでは、私の存在意義すらなくなってしまう。

そう思って、翔太郎さんの家の家事は今まで通り行い、食事の支度もしていた。

ただ無くなったのは一緒に過ごす時間だ。
これならたぶん本当に家政婦と一緒かもしれない。

でも私もどんな顔で一緒にいればいいのかも、翔太郎さんのどんな話も聞きたくなかった。

今日は土曜日だが、翔太郎さんは私がいなかった時の仕事が溜まっているようで、会社に行っていた。


これは本人から聞いたのではなく、晃さんが言っていた話だから本当は解らないが、私にあの話がばれてから、翔太郎さんの落ち込みはすごかったと言っていた。

少しは私をだましたことに、罪悪感があるのかな……。
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