強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

だけど……。
ここ何日かずっと考えていた。
私はどうしたいのかという事を。

翔太郎さんが私を思っていなかったのは仕方がないし、私は翔太郎さんを好きになってしまったのも仕方がない。

でも、好きな人が、自分に気持ちがないのに一緒にいることのはとても辛い。
初めて感じるこの気持ちを、私はどうしていいかわからなかった。

騙されて、嘘をつかれて、腹が立って、悲しくて……。
それでもどうしても一緒に過ごした日々が嘘だと思えない、いや、思いたくない自分もいた。

あんなに大切にされた日々は幸せだった。

だからこそ、このまま騙されたまま一緒にいることはできない。

小さく息を吐いて、私は洗濯物をいつの間にかたたみ終えていたことに気づいた。

そこへ珍しい人からの着信に私は首をひねった。
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