強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

父 

その文字に、この結婚の根源である父や祖母を思い出した。

「もしもし」

『優里香?元気にしてるか?』
相変わらずの能天気な声に、私は心の中でため息をついた。

「うん、元気よ」


『今日、翔太郎君は?元気にされてるか?』

「あ、仕事にいってるよ」

今の現状をわざわざ言うようなことでもないので、私は適当に答えた。


『じゃあ、少し外に出られるか?おばあ様が会いたいそうだ』


おばあちゃん?
元凶か……。

ここはもう本当の事を聞くべきなきがして、私は「わかった」と返事をしていた。



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