強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
久しぶりに来た祖母の家で、私は小さくため息をつく。

なぜか親族が集まっている状況は、予想外で思ったよりことが大きいような気がした。

「あの、おばあちゃん、今日はなんの用だった?」
伺うように聞いた私の言葉に、おばあちゃんは少しだけ表情を変えたように見えた。

「優里香、お前結局どっちを選んだんだい?」

「はい?」
いきなり気かれたその言葉に、呆然としておばあちゃんを見た。

「だから、兄と弟どっちにするんだい?」

「おばあちゃん、どうなってるの?あの呪いだのなんだのはうそだったの?」
ジッと睨みつけるように言った私の言葉に、祖母は意外な言葉を発した。

「うそじゃない。先祖の言い伝えは、お前を嫁にした人間が当主になれば、繁栄が約束される。すなわちお前が誰か違う人と結婚すると、みんな不幸になるということじゃな」

なんで初めからそう言わなかったわけ?


でも、結局たしかに初めからそう言われていたら、私はどうしていたのだろう?
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