強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「でも、どうして弟さんもでてくるの?長男なら私と翔太郎さんだけがうまくいくようにすればよかったんじゃないの?」

その言葉に、おばあちゃんは少し表情を曇らせた。

「ここだけの話、まあいろいろあるんだよ。あの家には」

「え?」
私の表情に、何かを感じたのか、おばあちゃんは私を庭へと連れだした。


「優里香、翔太郎さんの両親には会ったか?」

「うん……。でもなんというか、お父様とは……」

その言葉に、おばあちゃんも小さく頷いた。

「お前の会った女性は、弟の母親で本妻ではない」
その言葉に、ようやく翔太郎さんと瀬能さんの名字が違う事に納得がいった。


「翔太郎さんの母親とは家のために無理やり結婚させられて、その事で本来愛していた弟の母親と一度別れることになってな」
そこまで言われ、なんとなく状況が分かった気がした。
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