強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
今の現状をおばあちゃんに説明できるわけもなく、私は少し微笑んで見せた。
「うん」
「凛太郎君は凛太郎君で、この件は納得いってなくてな。もちろん父親も、やはり愛した人の息子をと思うのか、翔太郎さんの社長の座を賛成していなくてな。ある程度の期間でお前が翔太郎君を好きにならなければ、弟の凛太郎君にもチャンスを与える決めごとになっていてな……」
「そんなゲームみたいなこと……」
私はまたもや、涙がでそうになるのをなんとか抑えると、おばあちゃんを見た。
「まだ、わからないかな」
そう言った私を、おばあちゃんも悲しそうな瞳で見ていた。
「そうか……。今更じゃが、優里香お前のおもうようにせえよ。わしもこんなことを引き受けてすまなかった」
おばあちゃんのその言葉に、私は小さく頷いた。
おばあちゃん……本当にいろいろが今更だよ……。