強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
この言葉を信じれたらどれだけいいだろう?
でも私を手に入れないとトップにはなれない。だから言ってるんじゃないの?
そんな事を思ってしまう。
「その言葉を信じれたらいいんですけどね……」
「優里香……悪かった」
「ご飯、ちゃんと食べてくださいね」
こんな時にでも、やはり翔太郎さんの体調が気になってしまう自分が少しだけおかしかった。
部屋に戻って、ベッドに座り考える。
私は……どうしたいのだろう?
翔太郎さんの言葉をもちろん信じたい。
そして幸せになりたい。
でも、信じられる?自問自答しても答えなど出ない。
じゃあ、このままさようならをする?
一緒にいなければ、いつかこの気持ちも忘れられる。
でも、そうしたら翔太郎さんはトップになれない……。
それでもいいの?
そんな事がグルグルと頭を廻る。
ただ一つ確かな事は、こんな風に騙されても、私が翔太郎さんを好きで仕方がないという事実だけだ。