強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

「ねえ、お母さん。今の話を信じろって言うの？なんだっけ？何百年前の言い伝え？そのずっと昔のご先祖様が残した約束？」
そこで私は一息ついて、二人からの反応を待った。しかし全く表情を変えずに私をみている二人に諦めて話を進めた。

「えーと、昔結ばれなかったその先祖が呪いをかけて、私がどこかの男と結婚しないと両家が不幸になる。端的に言うとそう言う事？」

「そうだ。わかっているならすぐにそういいなさい」
「いやだからね、お父さんが言っていた話の内容だけは理解したけど、現実としては信じられない」
「信じなさい」

え……マジですか……？
間髪入れずにそう言った父の真顔と言葉に、私もさすがに冗談ではないのかと背筋が冷たくなった。