強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

「優里香さん、わざわざすまなかったね」
この人がおばあちゃんの言っていた、翔太郎さんの祖父、すなわち清水グループの現会長だとわかり、私は頭を下げた。
瀬能さんの姿もあり、実質ここで翔太郎さんが小泉グループのトップの座につけるかどうか決まるという、なんともバカげた話に、私はまるでドラマの中のような気持ちで周りの人たちを見た。

「優里香さん、今回、このような話になったのも、小泉グループのトップに立つ人間は、人の気持ちが解ること、そして守るものが必要だと思ったからだ。そして婚姻しているという事実は、周りからも信頼される。だから決して無意味にこのことを言ったのではない事だけはわかってほしい」
おじいさんの説明に、私はいま思っていたことが見透かされたようなきがして、小さく返事をした。