強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
お父様や、瀬能さんは不服そうだったが、おじいさんが絶対権力を持っているようでその日は解散になった。
帰りの車の中で、ようやく翔太郎さんは言葉を発した。
「優里香……いいのか?」
「え?」
その言葉の意味が解らず私は聞き返す。
「お前、俺の事信じられないんじゃないのか?」
不安に揺れる翔太郎さんに、私はどうこたえるか少し考えた。
「そうですね。信じてないです。でも……」
「でもなに?」
好きだから、翔太郎さんの役に立ちたい。
そんな事言えるわけもなかった。
「瀬能さんをトップにすることは、私の会社でもあるのでちょっと……そう思ったんですよ」
できる限りの強がりで私はそう言うと、少し笑って見せる。
「じゃあ、これからも俺のそばにいてくれるってこと?この結婚を続けてくれるってこと?」
少し早口に言葉を発した翔太郎さんを制するように、私は前の晃さんに呼びかけた。