強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
翔太郎さんならば、エントランスのインターホンを押すわけないし……。
そんな事を思っていると、突如映し出された晃さんに、私はホッとして応答ボタンを押した。
「お姫ちゃん!すぐ出られる?」
「はい?え?どこにですか?」
「いいから!」
すごく焦ったような晃さんの言葉に、私は自分の格好を確認する。
デニムにカットソー姿は、出られるといいのだろうか?
自問自答してると、晃さんは焦れたように言葉を続けた。
「もうなんでもいいから、すぐに降りてきて!」
あまりの慌てように、何かあったのかと私はカバンだけ引っ掴むと、すぐに下へと降りた。
「晃さん!どうしたんですか?翔太郎さんになにか?」