強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「優里香、社長になれない俺は魅力がない?」
「なんですかそれ?私にとって、翔太郎さんは翔太郎さんで、副社長でも社長でも、平社員でも関係ありません!そんな事より私は翔太郎さんの為に……」
困惑しながら答えた私に、翔太郎さんは嬉しそうに微笑んだ。
そしておもむろに内ポケットに手を入れると、小さな箱を取り出した。
そしてその中から、キラキラと光る指輪を取り出した。
「優里香、俺には優里香しかいらない。優里香がいてくれれば俺はそれでいい。優里香が好きだ。俺と結婚してください」
「え……?」
急に言われた言葉に、私はポカンとしたのだろう、そんな私の左手をとりその指輪をそっと翔太郎さんがはめてくれる。
「社長の座欲しさに、優里香に近づいたのは確かだけど、今、本気で優里香を愛してるこの気持ちを信じてもらえるためにはこうすればいいって思いついた」
まるで、子供が名案を思い付いたように、瞳を輝かせながら言う、翔太郎さんに私は半ば呆れながら、泣き笑いを浮かべた。