強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「じゃあ、"私”は今度仕事から帰ってきたときまでいらないってことですか?」
羞恥で翔太郎さんの顔を見れず、私はギュッと翔太郎さんのシャツに顔を埋めながら、小さく言葉を発した。
「優里香……」
翔太郎さんはそう言うと、私の頬に触れた。
「いいの?」
その言葉に、私は頷くことで精一杯だった。
ドキドキと心臓の音がうるさくて、どうしていいかわからずにいると、フワリと体が浮いて慌てて翔太郎さんの顔を見た。
初めて男の顔を見た気がして、翔太郎さんから目が離せなくなる。
欲を孕んだ瞳に見つめられ、抱き上げられたまま翔太郎さんの寝室へと運ばれた。
ふわりとベッドに横たえられ、ただ静かにシャツを脱いで上半身裸になった翔太郎さんをぼんやり見つめていた。
なぜか現実の事と思えない、この感覚が自分自身でもよくわからず、私は翔太郎さんのその姿をジッと見ていた。