強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

「違うの!嫌じゃなくて。信じられなくて……。本当に翔太郎さんが私の事を思ってくれる、ようやく翔太郎さんの奥さんになれるんだな……って思ったら。だから嫌じゃないです。触れてほしいってずっと思ってました」
最後は聞こえるか聞こえないかの声で言った私に、翔太郎さんはホッとしたような表情をすると、キスを一つ。

「優しくしたい。大切に愛したい。いままでずっと強引に、イジワルに優里香に触れてきたから」
確かにそうだ。いつも何かごまかすためや、私にイジワルするためにキスをされていた。

翔太郎さんはそう言うと、一つ一つ、大切な物に触れるように、全身にキスをしてくれる。

それが、恥ずかしくて、嬉しくて。でも幸せで。

ようやくすべてを愛されたこと、一つになれたことが幸せだった。


「優里香、これからもずっと一緒だから」

翔太郎さんの言葉に、私は「大好きです……」そう呟いて、初めて自分からキスをする。
そのキスに驚いた翔太郎さんが、かわいくて愛しくて。

これからは二人で支え合って生きていきたい。

そう思う。


政略結婚から始まった恋は、真実の愛へとなって新たな結婚生活へと続いていく。

いつまでも……。


End.
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