強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「それで?私はこれからどこへ?私実家暮らしなので親が心配すると思うんですが」
努めて冷静に言ったつもりだったが、またもや男は肩を揺らして笑うと、

「親が勧める婚約者と会うのに、怒る親がいる訳ないだろ?」

「え?親も知ってるんですか?」

「当たり前だろ」

はあ?どこまで本人無視で話をしてるのよ?もう誰も信じられない!
お母さんの昨日の涙ももう知らない!こんなの、こんなのって!

そしてさっきまで、100分の一ぐらいの確率だか、もしかしたら、副社長に呼ばれたのは結婚の話ではなく、仕事の話かもと思っていた私の期待は、今の一言で木端微塵に砕け散った。

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