強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「ここ……ですか?」
ポカンという言葉って本当にあるんだな……そんな事を思いながら私は目の前の建物を見上げた。
「どういう意味?」
頭の後ろで腕を組みながら前を歩く晃さんが、チラリと私を見た。
「あの……。なんていうか、驚いたというか」
着いた先は都内の高層マンションの、エントランスだった。
もちろんコンシェルジュもいて、中にはエスカレーターもあり、ハイクラスの人しか住めないだろう高級マンションなのは理解できる。
しかし、ずっとこの時代錯誤な話を聞いてきたせいか、完全に大きな日本庭園のあるお屋敷に、和服の副社長を勝手に想像していた。
着物をきた元華族とやらのおばあさまに、宝塚歌劇団にいたというお母さまが出てきて……『あなたが?』とクスリと笑われるのだと決めつけていた。
慣れた手つきでセキュリティを開けて、エレベーターに乗せられると私はその景色に声を上げてた。
「すごい……」
エレベーターは静かに音もなく上がっていく。
キラキラと光る街の明かりがだんだん遠くなっていき、東京都心の光が眼下に広がった。
ポカンという言葉って本当にあるんだな……そんな事を思いながら私は目の前の建物を見上げた。
「どういう意味?」
頭の後ろで腕を組みながら前を歩く晃さんが、チラリと私を見た。
「あの……。なんていうか、驚いたというか」
着いた先は都内の高層マンションの、エントランスだった。
もちろんコンシェルジュもいて、中にはエスカレーターもあり、ハイクラスの人しか住めないだろう高級マンションなのは理解できる。
しかし、ずっとこの時代錯誤な話を聞いてきたせいか、完全に大きな日本庭園のあるお屋敷に、和服の副社長を勝手に想像していた。
着物をきた元華族とやらのおばあさまに、宝塚歌劇団にいたというお母さまが出てきて……『あなたが?』とクスリと笑われるのだと決めつけていた。
慣れた手つきでセキュリティを開けて、エレベーターに乗せられると私はその景色に声を上げてた。
「すごい……」
エレベーターは静かに音もなく上がっていく。
キラキラと光る街の明かりがだんだん遠くなっていき、東京都心の光が眼下に広がった。