強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「なあ、どうしてこうなるんだ?翔太郎」
ため息交じりに言った晃さんの言葉に、翔太郎は平然とした顔で10人は座れそうなソファに腰を下ろした。
そう、モデルルームのような部屋なのに、そのソファーの上には着ていただろうスーツが散乱し、高そうなテーブルはもちろん、その下のフローリングにも紙や本が散らばっていた。
そのスーツや書類を手に取り、手早く片付ける晃さんをぼんやりと見ながら、私はリビングの扉の前に立ち尽くしていた。
「ほら、お姫ちゃんも固まってる」
「今日は早く上がらないといけなかったから、仕事をしてただけだろ?」
『早く帰らないと』その言葉が、私との約束だったことに若干の居心地の悪さを感じて、私は俯いた。