強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

「恨みつらみって……」
なぜか私が悪いみたいになってるけど……。

「それを、俺の祖父母も、君のおばあさまも信じて生きてきた。だから何がなんでも結婚をさせなければと思ってる」
特に返事をしない私に、翔太郎は話を続けた。

「知っての通り、俺の家は会社を経営していて、何千人の社員の生活を守る義務がある」
「それはわかってます」

「本当に、この呪いが万が一にでも現実のものになれば、俺たち家族だけの問題ではない。だから、信じてはいないが、俺はこの話を無かった事にするつもりはない」

本気で言ってる？この人。

「形だけでいい。祖父母や両親を安心するためにも、俺はお前と結婚する必要がある」
「でも……」

「お前だって、自分の身内を不幸にしたいのか？」
「いや、だから……そもそもそんな呪いなんて……」
ある訳ないでしょ？呪いとかそんなの。