強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「まさか愛だの恋だのいうつもり?」
バカにしたようなその言葉に、私はカチンときた同時に言葉を投げつけていた。

「私は結婚に愛がないなんて絶対無理だから!!」

言い切って大きく息を吐いた私に、翔太郎はポカンとした後、少し考えるような表情を浮かべた。

「じゃあ、俺の事を好きになれよ。俺に溺れろよ」

な……何をいってるの?この人……。バカなの?

同じ人間だと思えなくて、私はただぼんやりと翔太郎を見てしまった。

「俺がお前を甘やかせてやる。覚悟しろよ」
そう言うと、私の頬にそっと触れ、チュッとリップ音をさせて額にキスをされた。

「な……何……する……」
きっと私の顔を真っ赤だと思う。
これは翔太郎にキスをされたからじゃなく、免疫がないせいだから!そう言いたいのに言葉にならず、私は翔太郎がキスした場所を、手で押さえるとズルズルと逃げるように後ろへと下がった。
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