強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

「見ないでください!」
恥ずかしくなり、私はぐるりと向きを変えると、スーツケースをだして当面必要そうな物を入れ始めた。

どうせ色気なんてないですよー!だ。

あー、どうなるんだろ?同居なんて。
でも、あれだけ広いマンションだし、顔を合わせなくて済むような気もするし……。

これからの事を考えて、私は大きくため息をついた。

「このスーツケースだけでいいのか?」
「あっ、はい」

私が答えると、片手で翔太郎はスーツケースを持つと、「行くぞ」と微笑んだ。

あっ、笑った……。


下に降りると、お母さんたちが玄関に降り、見送る準備をしていた。

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