強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
ルームシェア?
「ねえ、なんでこうなるんですか?」
翔太郎の運転する車に乗せられて、こないだ来たマンションに足を踏み入れた第一声がこれだった。

本来なら、知らない人といきなり同居なんてと緊張するところだが、こないだよりも散らかった部屋を私は唖然として眺めた。

「本当は家政婦が来るんだよ」

「本当は?」
少し考えるような仕草の後、

「お前が嫌がるかな……って」

言葉を濁すその言い方に、私はなんとなく理由を悟って、チラリと翔太郎を見た。

「若い女の人なんですね……?」
その言葉に、翔太郎は小さくため息をつくと、

「俺が頼んだわけでもない。依頼すると必ずと言っていいほど女が来るんだよ。だから俺がいないときにしか来ないようにいってるけど、お前のいる時間長いし、顔を合わせるのも嫌だろうと思ったんだよ」

本当かどうかは分からないが、それだけの気づかいをしたことに、私は息を吐くと広いリビングを見渡した。
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