強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「私の部屋はどこですか?」

「ああ、上だ」

メゾネットになっているこのフロアは、リビングに階段がありさらに上があるようだった。
翔太郎に着いて階段を上がると、日差しが柔らかく入る広い空間があり、その左右に扉があった。

「右側が俺の寝室で、左がゲストルームでだからそっち使って。バストイレもついてるから大丈夫だろ?」

バストイレ付なんて、ホテルみたい……。
そんな事を思いながら、扉を開けると本当にホテルの部屋の様な落ち着いた部屋があった。

広めのツインルームで、大きなクローゼット、そして部屋の隅の空間は、落ち着いて仕事や読書などができるようにと、机とパソコンが設置されていた。

「何か必要な物があれば言えよ。邪魔ならベッド一つそとにだそうか?」

「大丈夫です!気分によって寝る場所変えますから」
その言葉に承太郎は笑いながら「あっ、そう」とだけ言うと、バスルームなどを案内してくれた。

私の実家の家など、比べ物にならないほどの快適空間だった。一通り案内が終わると、

「俺は下にいるから、荷物片づけたら降りてきて。今後の話をしようか」
「わかりました」
私は簡単にスーツケースの中身を、クローゼットにしまうと、少しベッドに座ると窓から見える景色を見た。
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