強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「あの……」

「なに?」

食べ終わり恐る恐る話しかけた私だったが、翔太郎にジッとみつめられ、慌てて目をそらした。

「ご両親にご挨拶は?」
自分でも結婚する気でいることに驚いたが、結婚をずっと勧めていたこの人の祖母や両親はいいのだろうか?そう思った。

「ああ、結婚した事実があれば大丈夫だから、また今度でいいよ」

今度っていつよ?

コーヒーカップをトンと音を立てて置いて新聞を手にした翔太郎に、私は違和感を覚えた。

翔太郎の表情から、何か読み取ることはできなかったが、こんなに結婚をしろと言った人たちがこんなあっさりとしたものだろうか?

< 68 / 218 >

この作品をシェア

pagetop