強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
じゃあ、お前は俺が他の女と会って欲しいの?最初からこの結婚をうまく行かせない方がいい?」
「そんな事は……言ってない」
それは……。いくら政略結婚でも、他の女の所に行った旦那を家で待つなんて……嫌かも……。

え?嫌なの?

どんどん自分の気持ちがわからなくなって、ごまかされていると思った事もどうでもよくなり、私は翔太郎の触れる指だけに神経が集中していた。

「んっ……」
首筋に翔太郎の唇が触れたとわかると同時に、ビクリと自分でも驚くほど体が震え声が漏れた。

そんな自分に驚いて、口を押えようとして持っていたお皿が下に落ちてびっくりして、そちらに意識が向いた。

「そっちはもういい」
その言葉と同時に、私の手を翔太郎の手が包み、そのまま流れている水で洗われる。
そのまま手を握られたままの状況に、私は耐え切れず抗議の言葉を振り返って翔太郎に向けた。

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