強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
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次の日、円花から連絡があり、一緒に昼食を取ることにした。
会社の一本裏手にある、蕎麦屋に向かい会社を後にした。
「こないだはごめんね。どうしたの?」
あの時とは全く状況が違ってしまった現状に、何から話すべきかわからず円花を見た。
「何からはなせばいいのかな……。まあゆっくり座ってから話すよ」
二人で奥の席に案内されると、私は周りをきょろきょろと見渡した。
「どうしたの?」
「え?同じ会社の人がいないかなって確認」
小声で言った私の言葉に、円花は怪訝な表情を浮かべた。
「どうして?何かまずい話なの?」
「そういう訳じゃ……」
「あっ、例の人がどこの部署かわかったの?」
興味津々といった表情で言った円花に、私は苦笑いを浮かべた。
口止めをされている訳ではないが、この事を話して言いか確認をせずに、いくら仲のいい友人と言えど話して言いかわからず、私は曖昧に言葉を濁した。