強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
私がこの1週間で気づいたことと言えば、翔太郎は恐ろしく忙しいこと。
結婚だの、同居だの、なんだかんだ言ったものの、この1週間合計1時間も翔太郎を見ていない気がする。

結婚した週の土日、仕事をしつつも家にいた事は翔太郎なりの、気づかいだったのではないかそう思えてきた。

最初は実家と違い快適な翔太郎のマンション生活だったが、いつも両親がいた環境が少し懐かしくなってきたりもした。
そう、要はホームシック、寂しいのだ。
そんな感情に押しつぶされそうになり、私はリビングのソファでギュッと膝を抱えた。

本当にただの政略結婚なんだ。
そんな気持ちになり、だんだんと落ち込む自分がいた。
イジワルでも別の部屋にいても、翔太郎が家にいるという気配だけで、安心していた自分に気づいた。


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