強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「おはようございます。翔太郎さん」

朝6時半、降りてきた翔太郎さんに私は声をかけた。

そう、もう心の中でも呼び捨てや、アンタとする気にはならず、きちんと名前を呼ぶようになった。

初めの頃は、本当に新婚のようで、なかなか呼ぶことができずにいたが、今は抵抗なく呼べるようになった自分にも驚きだ。

まだ寝ぼけてるのか、ぼんやりとした顔で私の所まで来ると、翔太郎さんは私の頭にポンと手を触れた。

「おはよう。今日もありがとう」
優しい瞳を私に向けられ、私は微笑み返した。

「シャワー浴びてくる」
「はい」
ここ最近、翔太郎さんは自分の部屋のシャワーではなく、1階にある広い浴室でお風呂やシャワーを浴びたり生活をするようになった。


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