強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
「なんかさあ。納得できないって私が言っても仕方ないけど、こんな話おかしいでしょ?断れないの?」

「わかんない。昨日の両親の感じからすると、断れる雰囲気じゃなかったような……」
私の答えに、円花がいきなり「名案!」と瞳を輝かせた。

「優里香が嫌われればいいんじゃない?思いっきりひどいことして、向こうから断られるの!こんな女を嫁になんてできるかって!」

「それ!それだ!」

……あっ、やばいっ……。
私は円花の言葉に、大きな声を上げて立ち上がっていた。
周りの冷たい視線に、コホンと咳払いをしながら、そろそろと腰を下ろした。

あー恥ずかしい……。

< 9 / 218 >

この作品をシェア

pagetop