強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

「おはよう。翔太郎起きてる？」
想像通り、晃さんの顔が映ったインターホンに、私も返事をした。

「起きてます。晃さん早いですね」

「土曜だからか、道が空いててさー。車にいるから伝えて」
そう言って踵を返した晃さんに、

「晃さん、ご飯食べました？」

「え？まだだけど……」
珍しく戸惑ったような晃さんに、私はクスリと笑うと、

「今、開けます。上がってください」
そう言って、セキュリティを解除すると、キッチンに戻った。


「どうした？晃だった？」

「はい。今上がってもらいました。土曜で道が空いてたみたいですよ」
その私の言葉に、翔太郎さんは怪訝な表情を見せた。

「なに？上がってもらった？」

あれ？なんか不機嫌？

「だめでした？まだ早いし、晃さんも朝食を……と思ったんですけど……」
不安げに声をかけると、翔太郎さんは「別に」それだけをいうと、黙々とサンドイッチとコンソメスープを口に運ぶ。

「ねえ、翔太郎さん……」
不安になり、声をかけた所で玄関でインターホンがなり、私は言葉を止めると、パタパタと玄関へと向かった。