強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
そうすると、翔太郎さんが晃さんに何か怒ったように耳打ちをした。
なに?
「ほら……翔太郎またお姫ちゃんが不安がってるぞ。あー、お前ってさ」
そう言いながら、晃さんはすごいスピードで朝食を平らげると、チラリと私をみた。
「ごちそう様。翔太郎遅れるなよ。車にいる」
それだけ言って、私にヒラヒラと手を振ると、颯爽と家をでて行ってしまった。
その様子を唖然として見ていた私に、食べ終わった翔太郎さんが私の横に立った。
「翔太郎さん?何か私しましたか?」
チラリと翔太郎さんを見上げると、私の手を取り私を立ち上がらせた。