強引な副社長との政略結婚は甘すぎます
愛ってなんですか?
「おはようございます」
いつも通り、挨拶をして自分の席にすわり、パソコンを起動すると、隣の席の町屋先輩も出社してきたようで、私は笑顔を向けた。

「おはよう。笠井さん。最近早いわね」
優しい笑顔を向けられて、私は内心ドキッとした。
翔太郎さんが早く起きる事と、通勤時間がすごく短くなった為だ。

「はい、最近早起きなんです」
曖昧に答えると、パソコンに目を向けた。

「へえ、笠井早起きしてるの?なんで?」
そこを突っ込むの……。私は心の中で小さくため息をつくと、少し前までは声を聞くたびに、ドキリとしていたその人を見た。

「牧野さん。おはようございます」
「で?なんで?」
諦めてよ。
全く前のようにドキっとしなくなった自分にも驚いたが、どうしてこんなに私の早起きが、気になるのかわからず私はジッと牧野さんを見た。



< 96 / 218 >

この作品をシェア

pagetop