【短】宣戦布告なら、受けて立つけど?


「全部って言ったら駄目なの…?」

「…全部ね、俺の何知ってんの?」


無表情で一瞥をした。
相手の表情が曇る。

あぁ、これ泣くパターンか……。
そう、思ってると意外な発言が飛び出してきた。


「でも!凪月くんが好きな人よりは…好き!」


なんで、こう、偶に人の気持ちに敏くてズケズケ入り込んでくる奴っているんだろ…。


「それ、自意識過剰。悪いけど、無理だわ」


俺はそう言うと、自分の名をまだ呼び続けるのも構わず背中を向けて歩き出す。

分かってる。
俺のもんになんねーのは。
けど、それを他人に指図されて喜べるかっての。


そんなことを思って小さく舌打ちをしていると、目の前に…今はあんま逢いたくない人物が現れる。

なんつーか…厄日か、今日は。
や、それはいつもか…。

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