【短】宣戦布告なら、受けて立つけど?
「凪月ー!今日も呼び出し来てんぞー」
「……マジ、うぜぇ…」
「うぉ。お前、何怒ってんだよ?怖ぇよ」
「…」
メンバーにそんなことを言われても、無言で汗を拭いながら練習終わりのことを考えて…心底うんざりした。
でも、今日は少し感じが違う。
何故なら、相手がクラスメイトの吉澤ってやつで、クラスメイトの女子で唯一普通に喋れる子だったから。
「よぅ…」
「くす。相変わらずの仏頂面だね」
「うるせぇよ…で、何?」
「んー…今度の日曜日、空いてる?」
「あー…試合ねぇから、多分空いてる」
「じゃあ、ちょっと付き合って欲しいんだけど?」
「まぁ、いいけど?」
「良かったー。凪月に断られたらどうしようかと思った」
「別に、気にすんな」
「うん。ありがと。じゃあ、また明日!」
「おぅ…」
吉澤は、すげぇ良いヤツ。
こんな俺のこと理解してくれるし、こうやって頼りにしてくれるし。
あぁ…こういう感じの関係が一番しっくり入っていいのかもな…。
そう思って後ろを振り返ったら、そこに怪訝そうな顔をした紘汰がいた。
そういや、隣のコートでバレーやってたっけ。
「凪月?何?あの子と付き合ってんの?」
「あぁ?なんで?」
「や、そう聞かれると困んだけど…」
「じゃー聞くな。アホ紘汰」