【短】宣戦布告なら、受けて立つけど?


「凪月ー!今日も呼び出し来てんぞー」

「……マジ、うぜぇ…」

「うぉ。お前、何怒ってんだよ?怖ぇよ」

「…」


メンバーにそんなことを言われても、無言で汗を拭いながら練習終わりのことを考えて…心底うんざりした。


でも、今日は少し感じが違う。
何故なら、相手がクラスメイトの吉澤ってやつで、クラスメイトの女子で唯一普通に喋れる子だったから。


「よぅ…」

「くす。相変わらずの仏頂面だね」

「うるせぇよ…で、何?」

「んー…今度の日曜日、空いてる?」

「あー…試合ねぇから、多分空いてる」

「じゃあ、ちょっと付き合って欲しいんだけど?」

「まぁ、いいけど?」

「良かったー。凪月に断られたらどうしようかと思った」

「別に、気にすんな」

「うん。ありがと。じゃあ、また明日!」

「おぅ…」


吉澤は、すげぇ良いヤツ。
こんな俺のこと理解してくれるし、こうやって頼りにしてくれるし。


あぁ…こういう感じの関係が一番しっくり入っていいのかもな…。


そう思って後ろを振り返ったら、そこに怪訝そうな顔をした紘汰がいた。
そういや、隣のコートでバレーやってたっけ。


「凪月?何?あの子と付き合ってんの?」

「あぁ?なんで?」

「や、そう聞かれると困んだけど…」

「じゃー聞くな。アホ紘汰」


< 17 / 28 >

この作品をシェア

pagetop