【短】宣戦布告なら、受けて立つけど?
「な、つ、き!」
あ?
これは、俺の願望?
そんな思ったことがすぐに叶うほど、世の中甘いもんじゃねぇだろ。
でも…。
「凪月、もー。人が声掛けてんのに、無視すんな」
ばし
「いてぇ」
「痛くしたの!」
あれ?なんか、陽菜さんいつもと違う…?
「…なんか、あった?」
「え?」
「や…なんかいつもと違うから…」
そう尋ねた俺に、陽菜さんはほんのりと頬を染める。
ばくはつ…つか、自爆。
この人、マジ、殺人的に可愛いんですけど…。
え?俺のことどうしたいわけ…。
「凪月、さ…今度の日曜日って…空いてる?」
「あー…ごめん。その日は予定ある…」
「あ、うん。そっか…ごめんごめん。凪月も色々忙しいよね!気にしないで!」
気にするなって、好きな人に言われて気にしないわけにはいかないだろ、ふつー。
「なんで?なんか大事な用だったんじゃねぇの?」
「え?!えっと!…大丈夫!ほら、気にすんな!!」
びしびし
そう突かれて、俺は苦笑いをした。
こんな時まで…俺のこと頼れないんだな…。
「…じゃあ、紘汰に付き合ってもらえば?」
「え…?」
「じゃ、俺、まだ練習残ってっから」
「ちょ、ちょっと、凪月?!」
あー…マジでムカつくのと、反省。
俺、本気で根性捻じ曲がってんな。
あんな風に、何も陽菜さんに突っ掛かったって、仕方ねぇのに。
だから、子供だって言われんだよな。
それから俺は規定時間いっぱいまで練習に励んだ。